野鳥がもっと大きく撮れる一眼デジスコ
野鳥の姿をファインダーに 捉えて撮れるようになったら、 次は写真の構図を考えながら、 シャッターを切れるようになりたい。 今回は「一眼デジスコ」で写真を 上手に撮るポイントを紹介します。

ファインダーに野鳥の姿を捉え、大きく撮れるようになったら、
「一眼デジスコ」で撮った写真をよく見てみましょう。
鳥の姿がクッキリと写っていれば問題ありませんが、
拡大してみると、ぼやけていませんか。
写真がクッキリせず、ぼやけて写るのには原因がいくつかあり、
「ピンボケ」「カメラブレ」「被写体ブレ」の3つが考えられます。
まずは「ピンボケ」。
野鳥にピントが合っておらず、その姿が“ぼやけてしまう”ケースです。
鳥のどの部分にもピントが合っておらず、
鳥の前後のどこかにピントがあっているようであれば、
ピンボケに間違いありません。
ピンボケを防ぐためには、スポッティングスコープの
フォーカスノブの操作方法を正しく理解し、
ファインダー像を見ながら、ピントが合っているかどうか
素早く判断する能力を身につけることが重要です。
TSN-880/770シリーズのピント合わせは、大小2つのフォーカスノブを操作して行う。径の大きなフォーカスノブ(クイックフォーカス)で大まかにピントを合わせ、径の小さなフォーカスノブ(ファインフォーカス)でピントの微調節を行う
ピントが合っていない状態では、ファインダーの像がぼやけて見える。フォーカスノブを操作し、像がクッキリと見える位置を見つけ出して撮影する(写真はピントが合っていない状態のイメージ)
写真がぼやけて写る原因のひとつに「カメラブレ」があります。
ファインダーでしっかりピントが合っていることを確認したはずなのに
写真がぼやけてしまうのは、三脚や雲台が十分な性能を持っておらず、
シャッターを切る際の振動が写真に影響したと考えられます。
シャッターボタンを押す際に、力が入りすぎるとカメラブレの原因になります。
予めシャッターボタンを軽く押して(半押しの状態)シャッターチャンスを待ち、
撮る瞬間は力を入れずに、指の腹でさらに押し込むようにすると
無駄な力が入らず、ブレにくくなります。
また、デジタル一眼レフは、シャッターを切った瞬間に
カメラの中でミラーが大きく跳ねます。
その振動が原因でカメラブレを生じることがあります。
通常の撮影ではほとんど影響しないミラーの振動ですが、
「一眼デジスコ」のような超望遠撮影では問題となります。
こうした「カメラブレ」を防ぐためには、脚の太い大きめの三脚と
スポッティングスコープとデジタル一眼レフの重さを支えることができる、
本格的なビデオ用雲台を使うことが重要です。


野鳥がとまっている木の幹や枝、地面などがクッキリと写っているのに、
鳥の姿だけがぼやけて写っていたら「被写体ブレ」です。
晴れた日に、日が当たる場所にいる鳥であれば、
250(1/250秒)以上の速いシャッター速度が使え、
被写体ブレのないシャープな写真が撮れます。
しかし、日当たりのよくない森や林の中になると途端に、
シャッター速度は15(1/15秒)や8(1/8秒)と遅くなってしまい、
どんなに頑丈な三脚で一眼デジスコを固定しても、
鳥の動きを封じることはできません。
そんなときは、シャッター速度が最低でも100(1/100秒)以上に、
できることなら500(1/500秒)以上になるように
ISO感度の数値を高く設定し、撮影するといいでしょう。