野鳥がもっと大きく撮れる一眼デジスコ
三脚を写真のように立てると、すぐに体を脇に寄せられる(左写真)
さらに三脚の脚を持ち、脚をすぼめれば、人の通行を妨げない(右写真)
三脚を立てるとき、2本の脚を手前に、1本の脚を前方に出すように
写真撮影の解説書には書かれています。
しかし、狭い山道や木道で野鳥を撮るときは、このセオリーに反する三脚の立て方を
叶内さんは薦めています。
「2本の脚を前方に出し、1本の脚を手前に立てます。
この立て方の利点は、道の端にサッと避けられることです。
他の方が後ろを通るとき、自分の体を脇に寄せ、三脚の脚を持ち、
脚をすぼめるように一歩前に出ると、
通行の妨げにならなくなります」と叶内さんは実演(写真)してくださいました。
「道幅に余裕があって、後ろを通る人の妨げにならないときでも、
このように前に避けるようにすると、お互い気持ちよく撮影できるのでオススメです」
このような心づかいも撮影を楽しむものとして持ちたいものです。
叶内さんは鳥を見つけると、まず首から提げた双眼鏡でその姿を確認します。
「鳥の種類を確認したり、口にエサや巣作りの材料をくわえていることもあるので、
そうしたものを双眼鏡で詳しく見ます」と叶内さん。
双眼鏡は一眼デジスコのように三脚を立てなくてもいいですし、
歩きながらでもサッと鳥を確認できる便利なアイテムです。
また、鳥だけでなく、季節の花々を大きく見る際にも活用できるので、
自然の中を歩く際には、双眼鏡は持ってゆきたいものです。
双眼鏡には、大きさ、価格によって、さまざまなタイプがありますが、
叶内さんのオススメは、倍率は8倍、口径が30〜40mmの中口径タイプ。
倍率は欲ばると、鳥の姿を視野に収めるのが難しくなりますし、
手ブレで見づらく感じます。
手軽な口径25mm前後のコンパクトタイプを選びがちですが、
口径が30mm以上になると、羽根の細部までクッキリ見えるようになるので、
中口径タイプをオススメします。
国内で普通に見られる野鳥は300種以上いるそうです。
カワセミやオオルリ、キビタキなど、ハッキリとして特徴のある鳥の名前は
すぐに覚えるかもしれませんが、撮影していると名前がよくわからない鳥に
出会うことがあります。
そんな鳥の種類を確認するのに欠かせないのが野鳥図鑑です。
数千円する分厚い図鑑もありますが、
最初はポケットサイズの野鳥図鑑でも十分です。
野鳥図鑑が1冊あれば、自分が撮った鳥の種類を確認できるだけでなく、
眺めているうちに、撮りたい鳥が見つかるかもしれません。
また、鳥の名前を調べる場合に、
インターネットを使うこともオススメします。
中でも「BIRD WORLD(バードワールド)」は、
一般の方の投稿を元に作られる「みんなで作る野鳥図鑑」をはじめ、
名前がわからない鳥の写真を投稿すると、名前を教えてくれる「この鳥なあに?」、
キレイに撮れた写真を多くの人に見てもらえる「野鳥アルバム」など
野鳥撮影を楽しむ方の情報交換の場として、大いに活用されています。
なお、今回、お話をうかがった叶内拓哉さんの作品も、
「BIRD WORLD」の「野鳥アルバム」に掲載されているので、
ぜひ、一度、訪れてみてください。