海の干満によって、陸地になったり、海に沈んだりする干潟は、シギやチドリが好む場所です。春と秋の2回、日本の干潟や河口はたくさんのシギやチドリで賑わいます。
干潟にはカニやゴカイなどが生息しており、シギやチドリはこれらの生き物を捕食するために飛来します。彼らは潮が引き、水深が浅くなった場所、砂や泥が顔をのぞかせた場所を歩き回り、地面をクチバシで突いて食べ物をとります。そのため、干潟で撮影する場合は、まず潮の干満を知る必要があります。
干潮時は陸地が広がり、撮りやすいと考えてしまいがちですが、むしろ満潮時の後の方が撮りやすいでしょう。満潮から潮が引き始めるとき、最初に現れる陸地にシギやチドリが飛んできます。その場所をあらかじめ調べておき、待ちかまえて撮れば、確実に鳥の姿を捉えることができるのです。
この最良の撮影ポイントを知るコツは、潮見表などを元に干潟の満潮の時間をはじき出し、満潮の少し前から観察を始め、潮が満ちたときに最後まで水没しない場所を探すことです。そこは、満潮後に最初に潮が引く場所でもあります。こうした場所がよく見える所に三脚を立て、潮が引くのを待つことが干潟撮影を成功させる所です。
なお、撮影する場所は、対象が逆光にならないように太陽を背にして撮れる順光の位置を選ぶことも重要です。羽の模様や色を正確に写し撮るには順光で撮るようにしましょう。