中野耕志 X テレフォトレンズ/スコープ PROMINARレポート

第9回
プロミナー500mm×オリンパスOM-D EM-5 より気軽で高画質な野鳥撮影
PROMINAR 500mm F5.6 FL / TX10

このサイトの作例写真はPROMINAR 500mm F5.6 FLで撮影しています。 

野鳥撮影をより気軽に高画質で

写真:プロミナー500mm+OM-D

フルサイズ一眼レフカメラとの組み合わせで満足のいく高画質が得られるPROMINAR 500mm F5.6 FL(以下プロミナー500mm)ですが、マニュアルフォーカスの難しさから、敬遠される方もいたことでしょう。
この春、オリンパス社のOM-D EM-5(以下OM-D) が発売されてからというもの、格段にマニュアルフォーカスでのピント合わせがラクになり、野鳥撮影が もっと気軽に楽しめるようになりました。

野鳥撮影向きなオリンパスOM-D EM-5

写真:プロミナー500mm+OM-D

本格的な一眼レフデジタルカメラとコンパクトデジタルカメラの中間的な存在として注目を集めているレンズ交換式ミラーレスカメラ(ミラーレス一眼)は、昨年から今年にかけて一気にそのシェアを伸ばし、カメラメーカー各社から様々なモデルが出揃いました。
 なかでもオリンパスOM-Dは、4/3インチ撮像素子を持つマイクロフォーサーズ規格で、画素数は約1600万画素と高画質。さらに9コマ/秒の高速連写とレスポンスの良いEVF(電子ビューファインダー)装備とくれば、スペックからして野鳥撮影向きであることがうかがい知れます。

プロミナー500mmとOM-Dの相性

写真:コルリ

プロミナー500mmとの組み合わせでは、標準仕様のTX10で1000mm F5.6*、TX07で700mm F4*、TX17で1650mm F9.6*という画角が得られます。これほどまでの超望遠システムが、カメラとレンズを合わせてわずか約2.5kgという超軽量で実現できるので、機動性が大幅に向上します。これと同等のパフォーマンスを一眼レフカメラと大口径超望遠レンズの システムで組もうとすると、重量は5kg、購入価格は100万円を超えるでしょうから、いかにプロミナー500mmとOM-Dの組み合わせがお手頃かつ機動性に富んだシステムかがお分かりいただけるでしょう。歩き回る野鳥撮影にはこの“機動性”が何よりも魅力に感じています。また画質においても一眼レフカメラと大口径超望遠レンズの組み合わせに匹敵し、このシステムで撮影した写真が野鳥専門誌の表紙に使われたこともその証だと言えます。

*35mm判換算焦点距離

BIRDER 2012年6月号
BIRDER 2012年6月号
株式会社文一総合出版

プロミナー500mmに最適なサポート機能

写真:プロミナー500mm+OM-D

一眼レフカメラシステムと比べて、プロミナー500mmとOM-Dとの組み合せシステムが足りない部分はオートフォーカスが使えないことですが、OM-Dの EVFは、「反応速度が速い」、「144万ドットで見やすくピントの山が分かる」、「簡単な部分拡大機能」と、マニュアルでのピント合わせをサポートしてくれる機能が満載です。またカメラ内蔵の手ブレ補正もよく効くので、手ブレやカメラブレも低減されます。一眼レフカメラでもっとも多いブレの原因はミラー作動による振動で、とくに暗い森の中での撮影では深刻な問題です。一方ミラーレスカメラでは文字通りミラーがないので、ミラーショックは皆無です。そのため低速シャッター時には一眼レフカメラより はるかに歩留まりが高くなります。

このように、コンパクトかつ高画質の“プロミナー500mm+OM-D”は、ビギナーからベテランまでオススメできるシステムです。
是非、野鳥撮影の本命機としてお楽しみ下さい。