光がレンズを通して結ぶ円形像をイメージサークルといいます。カメラはこの円形を3:2や4:3といった比率の四角形で切り抜くことで写真にしているのです。
一般的なレンズではイメージサークルの中心部が最も画質が良く、周辺部に行くに従って画質が低下しますが、具体的にはシャープネスやコントラストの低下、そして光量低下のため外側ほど暗くなります。安価な望遠レンズや広角レンズなどでみられる画面の四隅が暗く写る現象、これが周辺光量不足です。周辺画質の低下は開放絞りから1~2段程度絞り込めば改善されますが、もともと開放F値が暗い超望遠レンズでは、絞り込むことによりシャッタースピードの低下やISO感度を上げることによる画質低下のリスクがあります。ゆえに絞り開放でも周辺画質低下のないレンズは非常に優秀だといえるでしょう。
前述のようにイメージサークルの中心部ほど画質が優れているので、同じレンズであればフォーマットの小さいカメラのほうがレンズによる画質は有利です。しかしデジタルカメラの総合的な画質はカメラの撮像素子による部分が大きいので、フルサイズカメラが有利といえるでしょう。
フルサイズカメラはイメージサークルの周辺ギリギリまで使いますので、中心部のみならず周辺部の画質をも重視しますし、大面積のフルサイズカメラでは高いレベルでの像の平面性が求められます。レンズ枚数が多く複雑なギミックを持つズームレンズでは像の平面性が保てず片ボケを起こすことがあります。
コーワのPROMINAR 500mm F5.6 FL(プロミナー500mm)は中心部の画質はもちろん周辺画質の低下はほとんどありませんし、像の平面性も高いので、レンズ性能を高次元で要求するフルサイズカメラでも、満足な結果を得ることができます。
中野耕志 X テレフォトレンズ/スコープ PROMINARレポート
- 第5回
- フルサイズで撮る秋の風景
- PROMINAR 500mm F5.6 FL / TX10
このサイトの作例写真はPROMINAR 500mm F5.6 FLで撮影しています。