インナーファーン島は草に覆われている島で、ここでは数多くのキョクアジサシが繁殖しています。
キョクアジサシは北極圏で繁殖し、非繁殖期を南極圏で過ごすという、最も長い渡りをする鳥として知られています。
日本でも稀に観察できますが、そんな憧れの鳥の、しかも綺麗な夏羽個体が乱舞しているのですから、興奮せずにはいられません。
キョクアジサシは地面に営巣しますが、私が島を訪れた7月上旬には既に飛翔能力を持った幼鳥がいました。
親鳥は海で小魚を獲ってきては、幼鳥たちに給餌していました。
親鳥が海から戻ってくるとき、幼鳥を探したり地面に降りるタイミングを見計らうために少しホバリング気味に低速で飛行するのですが、そのときが撮影のチャンスです。
撮影ポイント付近の遊歩道は幅が狭く、キョクアジサシの幼鳥が足下をうろついているので三脚の使用は控えて手持ちで撮影しました。
撮影の要領はパフィンの飛翔と同じで基本的に置きピンですが、ホバリング中はピントリングを回しピントを微調整して撮影しました。
ちょうど海バックで飛ぶシーンが撮れたのですが、このようなケースではレンズの性能が如実に表れます。
プロミナー500mmのように白い羽のエッジに色滲みが出ないのは、高画質レンズの証です。
また絞り開放付近で周辺光量の低下は目立たないので、海や空など単調な背景でも安心して使えます。
たくさんのキョクアジサシに囲まれた2時間もあっという間に過ぎ去り、充実感と疲労感を覚えながら島をあとにしました。
- ホバリング気味に飛翔するキョクアジサシを捉えました。これは置きピンを応用しての撮影で、まず任意の距離にピントを置いておき、その距離の近くにいるキョクアジサシがホバリングを始めたらカメラを向けてファインダーに捉え、ピントリングを回して微調整します。多少の慣れが必要なテクニックですが、普段からの訓練でピントリングの回転方向や移動量などを体で覚えておくといいですね。
今回は海外探鳥編ということでパフィンの島に渡りましたが、海外旅行では移動が多い上に荷物制限があります。
そんなときは撮影機材を少しでも軽くしたいですが、画質は妥協したくないものです。
その答えの一つが、コーワのプロミナー500mmだということを実感する旅でした。