作例は下記機材で撮影しています。

作例撮影機材
スコープ KOWA TSN-884
接眼レンズ KOWA TSN-VA3
コンバーターアダプター デジスコドットコム CLA-13AR55
カメラ CASIO EX-100
照準器ステー デジスコドットコム SST-8877
照準器 デジスコドットコム DOS-CS1
レリーズ デジスコケーブル 455US
レリーズステー デジスコドットコム RS-EX10
カメラマウントシステム KOWA TSN-PS1
ロングプレート ベルボン QB-F51L(コルクなし)
雲台 デジスコドットコム GIM-01(パーン棒付属)
三脚 ベルボン ジオカルマーニュE635M(脚のみ)

CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-100の製品情報はこちら
http://casio.jp/dc/products/ex_100/

CASIO×KOWA デジスココラボレーションセット

取材協力:(株)デジスコドットコム

デジスコシステム図

HIGH SPEED EXILIM EX-10デジスコシステム図

1) 照準器ステー:SST-8877をTSN884に引っ掛けます。 2) TSN-VA3をTSN884に接続します。 3) CLA13AR55をEX-100に接続します。
 
4)レリーズステー:RS-EX10をEX-100に接続します。 5)TSN-VA3とEX-100を接続します。 6)照準器:DOS-CS1(DOS-CS2)を照準器ステー:SST-8877に接続します。
 
7)RS-EX10にデジスコケーブル455USを接続します。 8)TSN-884にマウントアダプター:TSN-PS1を接続します。 9)TSN-PS1にご使用雲台のロングプレートを接続します。
10) 完成です。
Aデジスコシステム構築について

従来のデジスコでは撮影し難かった野鳥の飛翔写真を写すことがEX-10を選択する1番の理由でしたが、EX-100はEX-10では物足りなかったテレ側の焦点距離が大幅に伸びた事でデジスコらしい超望遠から景色を入れた引きの写真も撮影でき、飛び物から止まり物まで幅広い撮影が出来る今までに無いオールマイティなカメラです。

CASIO HIGH SPEED EXILIM EX-100の場合、大口径の明るいズームレンズを採用しているためにTE-17WやTE-11WZではケラレや周辺減光の無いシステムが構築できないこともあり、フォト&ビデオアダプターTSN-VA3を使用します。
結果的にカメラズームワイド側のケラレ領域を除けば焦点距離は約950o〜4,200o(35oカメラ換算)が使えます。※ズーム中間域で多少周辺減光が発生します。

1/1.7型CMOSというコンパクトな撮像素子であることのメリットであるフロントコンバージョンシステム構造によるカメラの明るさに近似した比較的明るいシステムが構成できます。但し、耐高ISO性は大型センサーには及びません。ですが明るいシステムであるため同じ焦点距離・シャッター速度であれば、機材振動が出ないため、低ISOでの高画質撮影を問題無く楽しむことができます。

このカメラは最大0.8秒手前までのパスト連写ができることで飛翔写真撮影時のタイムラグを無くし、さらに手前の瞬間も写せるので取りこぼしを大きく減らす事ができ、デジイチを上回る瞬間を撮影できる可能性を秘めています。

光学特性を生かす操作性を得るため次のようなパーツを組み合わせます

三脚 :ベルボン ジオカルマーニュ E635M(脚のみ)
光学ユニットが大き目で重くなるため、しっかりしたカーボン三脚を選びます。

雲台 ジンバル雲台:デジスコドットコム GIM-01
飛翔写真撮影には迅速で正確な雲台操作が必須となります。目標の導入が容易で、どんな角度でもワンアクションで固定&撮影ができるジンバル雲台を選びます。

照準器&照準器ステー:デジスコドットコムGIM-01&SST-8877
カメラに照準器を装着せずに、スコープのアクセサリーネジ部分に剛直な照準器ステーとドットサイト照準器システムを使うことによりカメラ縦位置でも横位置でも使いやすい照準器システムを構築します。

レリーズケーブル&レリーズステー:デジスコケーブル455US&RS-EX10
フロントシャッターボタンを使用するためにカメラ下部の三脚ネジを使ってレリーズステーを装着します。ケーブルは一般的なレリーズチップではすぐに破損するために壊れにくいM5ネジがあるデジスコ専用ケーブルを使用します。

カメラマウントシステム&ロングプレート:TSN-PS1&ベルボン QB-F51L(コルクなし)
VA3を使用することで長く大きく重くなります。接続部に無理な力が加わらないようにしっかりしたカメラマウントシステムを使います。また、重心調整とスライドを円滑にするためにロングプレートを使用します。

1 パスト連写で飛翔写真

撮影はワンチャンスのみですので、追いかけて撮るというよりは被写体の動きをよく観察し置きピンをしておく事が成功率を上げるポイントです。飛び出し、飛びつきなどは「あっ!」と思ってから押してもパスト連写機能により十分記録されてますのでタイミングを外さなければ簡単に撮影が出来ます。また、より成功率を上げる為、パスト連写枚数を多めに設定しておく事、コンティニュアスAFの併用も重要です。
※パスト連写時は連写枚数を多めにすると思いますが、シャッターを押し続け過ぎるとメモリーへの書き込みのためにチャンスを逃したり、あっという間にメモリーカードの空きが無くなる場合もありますので気をつけましょう。また、飛び出しや飛びつきなど一瞬を狙う撮影から通常撮影に戻る時は最大連写枚数設定(30→10など)やパスト連写枚数(25→3など)を元の戻す事を忘れないようにしましょう。戻し忘れると上記の様にチャンスを逃す場合があります。

パスト連写

2 AF連写で動きのある被写体を写す

一部機能制限はされますが、高速連写中にも素早いAF機能でピントを合わせ続けてくれるAF連写機能を使用する事で、パスト連写では難しい追いかけて飛び物を撮る事も可能になります。ピント合わせを全てカメラに任せるのではなく、被写体の動きに合わせてスコープ側のピントをどれくらい動かすか練習しておくと成功率がよりUPします。

3 高画質撮影をするなら

光学ズーム時にケラレが無くなるワイド側(68o)やテレ端(300o)での画質の低下はほぼ感じられませんが、200o(35o換算:2,800o)を超えると、暗さによるシャッタースピードの低下から撮影難易度は上がりますので、68o〜180o(35o換算:約950o〜約2,500o)程度が使い易いでしょう。AFが早く他メーカーのデジスコ用カメラと比べピント合わせが正確な事、システムは大きいですが明るいシステムの為、ブレが少ない事などの条件により高画質での撮影がし易いカメラですので、撮影するポイントはISO感度を上げ過ぎない事です。通常はISO80、上げてもISO400程度が限度です。

4 朝夕の撮影につきまして

高速連写機能の関係からか、1/30秒以下になる撮影環境では露出やズーム操作、ISO感度などを操作し1/30秒以上のシャッタースピードにあげなくてはカメラ側で露出アンダーの表示がされて暗い写真しか撮れない状況となります。早朝や薄暮の撮影時はシャッタースピードを上げる操作が必要です。また、朝夕の撮影には関係無いのですが、昼間の撮影時シャッタースピードが上がりすぎる事もあります。その際は、カメラの絞りを絞って撮影すると解決します。

作例

【ノジコ】 距離:約5m 【オオルリ】 距離:約7m 【コルリ】 距離:約7m
【キセキレイ】 距離:約20m 【ウグイス】 距離:約20m 【キビタキ】 距離:約25m
 
【ハジロカイツブリ】 距離:約30m 【サシバ】 距離:約40m  

カシオ HIGH SPEED EXILIM EX-100 カメラの概要(デジスコ適正)

カシオ HIGH SPEED EXILIM EX-100 カメラの概要(デジスコ適正)

ここではデジスコに関する特徴や適性をピックアップしてみましょう。

EXILIMエンジンHS Ver.3 ADVANCE搭載

デュアルパイプライン処理回路という従来の処理能力・精度をはるかに上回る解像エンジンシステムを搭載。明るいズームレンズと、1/1.7型裏面照射型CMOSセンサーのポテンシャルを最大限に生かす画像処理システムへと進化しています。

明るいレンズ28-300mmズームレンズ

ズーム全域で開放F値2.8と明るいので、暗い場所での撮影に強く、絶妙なボケ味表現が楽しめます。画像の四隅まで解像劣化の少ない高品位な画質をキープ。 デジスコにとっては適度な大きさの1/1.7型CMOSによるフロントコンバージョンシステムを生かした明るいシステムを作り出す大きな要因になります。

レンズ、センサーの高精度実装技術

レンズとCMOSセンサーの取り付け面精度を高めたアライメント技術を採用。さらに、個々のレンズ特性に合わせた精密な調整を実施。レンズの光軸に対してセンサー受光面が傾きを持つことで生まれる片ボケなどの不具合の発生を抑制します。長い焦点距離で撮影するデジスコにおいて光軸の狂いは直接画質に影響します。カメラ本体の高精度実装技術は画質の向上につながります。

フロントシャッター

本体前面にフロントシャッターボタンを搭載。連写機能を割り当てて使うことができます。三脚ネジに近い位置にシャッターボタンがあるため、レリーズケーブルを装着するためのステーを取り付けるのに有用です。

快速シャッター

撮影後、すぐに次のシャッターを押すことができるので、ストレスなく撮影できます。 デジスコにおいてのコンパクトデジタルカメラの位置づけはシャッターを押してから次に撮れるまでの時間が長いということが常識でした。この間隔が縮まることにより動きのある被写体の撮影に有利になります。※30枚連写でシャッターを押し続けると書込みのために一時的にシャッター操作出来ない場合があります。

秒間30枚の高速連写

12Mサイズで秒間30枚の超高速連写を実現。一眼レフを遥かに超える性能で、高速で動く被写体や決定的な瞬間をとらえます。およそ1秒間の超高速連写ができます。

[AF 連写] 高速連写中もピントを合わせ続ける

最大6fpsの高速連写に対応。動きまわる被写体にピントを合わせながらの連写が可能です。被写体の動きや種類によってはこのAF連写が非常に有用となります。

パスト連写

シャッターボタンを半押しにしてカメラを向けているだけで、シャッターボタンを押す前と押した後の画像を合計最大30枚も高速連写。コンパクトデジタルカメラの最大の問題点であったタイムラグ要素を解決する重要な手段となります。野鳥の飛翔写真にはうってつけの機能です。

●1回の撮影で記録できる枚数設定値: 5枚、10枚、20枚、30枚
●連写の速度:3枚/秒、5枚/秒、10枚/秒、15枚/秒、30枚/秒

フルハイビジョンムービー&連写

ムービー撮影中も連写が撮れるから、その表情を高画質で残せます。この機能を使えば動画とスチル両方の記録が同時に残せます。 2つの画像処理回路により、ムービー撮影中も動画が途切れることなく、高画質で高速連写が可能です。

※最大10枚/秒、1回のシャッターで最大7枚まで。ムービー終了時まで最大28枚のスチル記録が可能。

カメラ設定表について

CASIO EXILIM EX-100 カメラ設定
(デジスコ撮影用推奨設定)

▼カメラの前面・背面

CASIO EXILIM EX-10 カメラ設定

■モードダイヤル … A(絞り優先モード)に設定
状況やお好みによりP(プログラムモード)やC(カスタムショット)でもOKです。

■MENUボタン を押した後、順番に設定する項目

●カメラマーク
キーカスタマイズ お好みで設定してください。(EVシフト・ホワイトバランス・連写などがオススメです。)
EXファインダー 工場出荷状態のままです。
アシスト表示 お好みに合わせて設定してください。
撮影ビュー お好みに合わせて設定してください。
フロントシャッター 標準
NDフィルター 切(状況に合わせて入でも可)
連写モード 高速連写がオススメです。
静止画サイズ 12M
動画画質 FHD※ハイスピード撮影時はFHDは選択出来ませんので別の画質を選択します。
ISO感度 80(画質を優先する場合、最大でも400まで)
手ブレ補正
デジタルズーム
フォーカス方式 AF
顔検出
AFエリア スポットがオススメです。
コンティニュアスAF 基本は切(状況に合わせてお使いください。)
ライティング
風音低減 切(動画撮影時にご使用ください。)
EVシフト 基本は-0.3〜-0.7(撮影状況を見て調整します。)
ホワイトバランス フィールド状況により変えてください。基本的にはオートで問題ありません。
測光方式 中央重点(お好みでスポットでも問題ありません。)
フラッシュ光量 お好みに合わせて設定してください。
シャープネス お好みに合わせて設定してください。
彩度 お好みに合わせて設定してください。
コントラスト お好みに合わせて設定してください。
AF補助光
アイコンガイド 入(切でも可)
モードメモリー お好みに合わせて設定してください。基本設定類は入がオススメです。

●歯車マーク
プロフィール画像変更 お好みで設定してください。
エコモード 切(入でも可)
液晶設定 オート
送信時リサイズ 工場出荷状態のままです。
操作音 お好みで設定してください。
フォルダー作成 特に設定しません。
タイムスタンプ
縦画像回転再生
ファイルNo. 工場出荷状態のままです。
スリープ 2分がオススメです。
オートパワーオフ 10分がオススメです。
液晶開閉 工場出荷状態のままです。
PLAY 工場出荷状態のままです。
消去キー 工場出荷状態のままです。
ワールドタイム 環境に合わせて設定してください。
日時設定 設定してください。
表示スタイル 工場出荷状態のままです。
Language 日本語
HDMI出力 工場出荷状態のままです。
無線LANパスワード 必要でしたら設定してください。
フォーマット メモリーカード内容消去時に使用してください。
リセット 設定を初期状態に戻したい場合使用してください。

●セットボタン を押した後順番に設定する項目。
高速連写fps 状況に合わせて設定してください。出来る限り長く連写したい方は3fpsとなります。
最大連写枚数 状況に合わせて設定してください。
パスト連写枚数 状況に合わせて設定してください。飛び物が中心なら過去の枚数を増やす事がオススメです
ISO感度 基本は80がオススメです。上げても400までにしてください。
絞り 基本は開放F値がオススメです。明る過ぎると絞る必要もあります。
EVシフト 状況に合わせて±を調整してください。
セルフタイマー OFF
測光方式 中央部重点測光(スポット測光でも可)

※スピードライトの設定は発行禁止にしてください。
※順光時の露出補正値は「-0.7〜-0.3」がお勧めです。条件によって適時調整してください。
※基本は開放F値での撮影をオススメします。
※シャッタースピードが1/30秒以下になる条件の時はISO感度設定を少し上げて対応してください。
※EX-100でデジスコ撮影をする場合フロントシャッターボタンが有用です。

※記載されている会社名、商品名は各社の商標または登録商標です。