インターフェイス
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大画面2.5型TFT液晶モニターの第一印象はとにかく大きい。この大きさなら老眼の方でも見やすい液晶画面です。液晶画面の明るさは屋内では問題を感じないですが、屋外では暗くて見え難くなってしまいます。そこで設定画面で液晶画面の明るさを「明るい」に変更すると丁度良い見え具合となります。
さらに遮光フードなどを工夫すると良い結果につながると思います。この大きな液晶画面はピントの山もつかみ易く妙な誇張もないので気持ちよく使えます。撮影時には後ろからギャラリーも一緒に見る事ができみんなで楽しめるのも大型液晶ならではの得意技です。
画面への情報表示は必要なもの全てが表示され、また余裕のある画面なので鬱陶しく感じさせません。 |
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操作性
操作応答性は業界トップクラス。電源スイッチを押すと同時に画面が立ち上がり、瞬時に撮影可能な状態になります。スリープ状態からの立ち上がりも素早いです。このスリープは無くすこともできますが、立ち上がりが早いので気になりません。各種ボタン位置はかなり考えこまれていて慣れると自然に指が届きます。撮影モードで十時ボタンを左右すると露出補正が簡単にできます。これはなかなか良い設計で、ワンアクションで露出の変更ができるのは環境の明るさが刻々変化するデジスコには重宝する機能です。画角が狭く、微動の連続するデジスコ撮影ではAFの合焦性能や機能が問われます。EX-Z750に関しては、恐らく他機種と比べ一番ピントが合いやすいのではないかと思います。特に、被写体のコントラストが明瞭でない時や風などで被写体の位置が動きやすい状態の場合は他機種の追従を許さない合焦が得られ、出画された画像にきちんと反映されています。
連写は遅めなのですが、レスポンスが良いので単写の連続でも対応できるかと思います。
デジスコ撮影で気になる部分としては、パワーオフすると連写設定や露出補正の設定値がデフォルトになってしまうことです。電源を切っても設定を記憶できるモードメモリ設定にこの項目が無いのは残念です。よく使う露出補正は十字ボタンに割り当てておくとワンアクションで変更できますので、おすすめします。
フォーカスポイントをマニュアルで合わせて使う機構もありますが、操作が煩雑で急いで使うことは難しいです。中央でピントを合わせ半押しでフォーカスロックして構図を定める方法を駆使して撮影すると、素早く正確なAFと相まって良い結果が出せます。入門者、初心者はカメラ操作に慣れるまではマルチポイントAFを使用して、慣れたらフォーカスエリア選択や中央での半押し撮影に移行するのが良いかと思います。 |
画質
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TSN-664との組み合わせでの画質についてはメリハリのあるシャープな表現と自然な色彩、ノイズの少ない画像はデジスコファンに好まれるもです。結構強めに感じるシャープネスと巧みなノイズ処理でうまく撮れた画像ならそのままPCでもA3プリントでも対応できるレベルです。
SONY DSC-W7、NIKON COOLPIX7900の2機種と比較撮影してみましたが両者の個性とは全く異なる個性を持ち、他機種の場合一般的に露出補正を-0.7〜-1.3EV程度かけるのに比べ-0.3EV程度で適度となるため明るめでメリハリのある絵が写せ、白トビ&黒つぶれも少なく対応できる撮影環境の幅も広い気がしました。
やはり、他機種同様、ズーム望遠側での画質はワイド側と比べるといまひとつシャキっとしません。このシステムもワイド端〜中域までを使っての撮影の方がいい画質を得ることが出来ます。アイピースを変えることで焦点距離を伸ばすのも1つの方法です。
欲を言えば20倍、30倍の接眼レンズに加え、40〜60倍の良質な単焦点接眼レンズが欲しくなってきます。コーワから11月下旬に発売予定の「TSE-9WD」45×Wは楽しみなアイピースです。
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動画について
近い将来ビデオ&スコープで楽しむ「ビデスコ」が流行ることは間違いないところであると思うのですが、ビデスコは機材がおおげさになることやインターネットで遊び難い事などからもう少し時間がかかりそうです。
しかし、このEX-Z750にはMPEG4という画質をキープしながら大幅(AVI形式比1/3程度)に圧縮できる動画記録形式が装備されていてVGAサイズ(640×480 pixels)、30frames/秒の高品位なムービー撮影が可能となっています。デジスコ撮影同様の撮影スタイルで動画も撮影しやすいのでデジスコ感覚で綺麗な動画が楽しめます。 |
まとめ
EXILIM PRO P600、P700のシャープで鮮明な画質に憧れているデジスコファンも多いと思います。
しかし、残念ながらP600,P700はケラレの発生や操作性が難しく、特に入門・初心者には使いこなせないという現実がありました。
このEX-Z750は上位機種の良さをそのまま継承し、操作面では難しい部分がすべてオート任せで概ね解決できるので撮影に専念できるデジスコシステムであると言えます。特に大きく綺麗な液晶画面と敏速で正確なAFによりピント合わせに苦労されていた人にもお薦めです。更に光軸がしっかりと保持できる専用アダプター「DA-C750」も発売され、デジスコシステムも組みやすくなりました。またひとつデジスコ機材の選択肢が増えました。
総合評価 |
ケラレ |
画質 |
連写 |
起動 |
扱いやすさ |
◎ |
◎ |
◎ |
○ |
◎ |
◎ |
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